米と中央アジア、重要鉱物で協力 カザフスタン、アブラハム合意参加

2025/11/07 16:28 

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 トランプ米大統領は6日、カザフスタンなど中央アジア5カ国の首脳とホワイトハウスで会談した。トランプ政権が供給網強化に力を入れる重要鉱物の資源開発での協力などについて協議した。トランプ氏はカザフが、イスラエルと一部のアラブ諸国が2020年に国交正常化した「アブラハム合意」に参加することも明らかにした。

 「C5プラス1」と呼ばれる5カ国(カザフ、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)と米国の枠組みは15年に発足し、今年で10年を迎えた。旧ソ連構成国の5カ国には重要鉱物など天然資源が豊富で、日本も関係強化を図っている。トランプ政権は重要鉱物に関して中国への依存度を下げるため、さまざまな国と協力する取り組みを進めており、重要な外交政策の一つとなっている。

 一方、5カ国は伝統的に安全保障面ではロシア、経済分野では中国との結びつきが強い。ただ、22年のロシアによるウクライナ侵攻などを受けて、大国間でバランスを取ることに腐心しており、多角的な外交を模索している。米側との関係強化は米企業による投資の呼び込みにもつながる。

 トランプ氏は夕食を交えた会合で、「我々は経済的な協力関係を強化し、安全保障での協力も向上させている」と述べた。重要鉱物に関して他国との協力を進めていることや、10月下旬のアジア歴訪での「成果」を強調。高市早苗首相については「素晴らしい新首相」と言及した。

 また、カザフがアブラハム合意への参加を決めたと表明。カザフは1992年にイスラエルと国交を樹立しており、今回の参加は象徴的な意味合いが強い。トランプ氏は1期目に仲介したアブラハム合意を自身の外交成果と位置付け、拡大を目指してきた。パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘を巡りイスラエルが国際社会で孤立する中、トランプ氏はさらなる参加国の増加にも意欲を示している。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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