「生きてはいけないと言われているよう」 生活保護基準の再改定案に

2025/11/07 20:17 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 厚生労働省が7日に示した、2013年の生活保護基準を再改定するという案は、原告団が求める「全額支給」からは、ほど遠いものだった。同日午後あった原告側弁護団の記者会見に同席した生活保護受給者は「生きてはいけない、と言われているようなものだ」と落胆した。

 弁護団の小久保哲郎弁護士は、厚労省の再改定の方針と、引き下げ率を「少なくとも2・5%と想定」という内容を報道で確認。会見では「我々が一番懸念していた、消費水準に基づくデフレ調整に代わる蒸し返しの改定をするということだ。到底許されない」と語気を強めた。

 会見の直前には、高市早苗首相が衆院予算委で、最高裁が出した違法判決について、政府で初めて「おわび」の意を表明した。しかし、小久保弁護士は「改めて減額の水準を調整するようなら、口先だけの謝罪だ」と突き放した。

 この日は、各地の訴訟原告が厚労省前に集まり、厚労省に向かってマイクを握り抗議した。原告の男性の一人は、「また引き下げ?」と書かれた紙を手に声を張り上げた。

 「ご飯が食べられない原告もいる。自分も米が高くて買えません。ご飯をいっぱい食べることがぜいたくなんですか。いつもひもじい生活が、あなたたちに分かりますか」【宇多川はるか】

毎日新聞

社会

社会一覧>