米、G20首脳会議不参加へ 議長国・南アの「人権侵害」を主張

2025/11/08 13:12 

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 トランプ米大統領は7日、南アフリカ・ヨハネスブルクで22、23日に開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)について、米国がボイコットすると明らかにした。理由として、かねて根拠なく主張している南アでの「人権侵害」を挙げた。

 トランプ氏は自身のソーシャルメディアに「南アでG20が開催されるのは全くもって不名誉だ」と投稿。南アで少数派のオランダ系白人が虐殺され、土地が違法に没収されているなどと一方的に主張した。南ア政府はこうした迫害を明確に否定しているが、トランプ氏は「人権侵害が続く限り、米政府関係者は誰も出席しない」と意に介さなかった。

 ロイター通信は7日、G20サミットに出席予定だったバンス副大統領が出席を見送ったと報じた。米国は来年のG20議長国を務める。サミットの閉幕式では次の議長国に引き継ぐ場面が恒例となっているが、今回はそうした機会もなくなることになりそうだ。

 トランプ政権は2国間の交渉(ディール)を重視し、多国間協議の枠組みを軽視する傾向がある。ただ、トランプ氏は7日の投稿で「26年のフロリダ州マイアミで主催するのを楽しみにしている」と記し、開催自体には意欲を示している。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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