米NYタイムズ、AIパープレキシティ提訴 著作権侵害で賠償請求

2025/12/06 08:01 

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 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は5日、米国の生成AI(人工知能)事業者「Perplexity(パープレキシティ)」が同紙の著作権を繰り返し侵害したとして、損害賠償と利用などの差し止めを求め、ニューヨークの連邦地裁に提訴した。パープレキシティに対しては、米国や日本の報道機関から抗議や提訴の動きが相次いでいる。

 訴状によると、パープレキシティはアクセス可能な限り多くのNYTの記事やコンテンツを許可なく複製し、それらを使って検索サービスで回答を生成するなどした。これらが著作権侵害にあたるとした。また、過去1年半にわたってパープレキシティに複数回連絡をとり、両社が合意するまでコンテンツの利用を停止するよう求めたが、受け入れられなかったという。

 NYTの広報担当者は声明で「自社コンテンツを無断で製品開発・宣伝に利用するパープレキシティの行為に断固反対する。当社の著作物の価値を認めようとしない企業に対し、今後も責任追及を続ける」と語った。

 米国では、ウォール・ストリート・ジャーナル紙を傘下に持つダウ・ジョーンズやニューヨーク・ポスト紙などが同様に著作権侵害を主張しパープレキシティを提訴している。日本では、読売、朝日、日経の新聞3社が損害賠償などを求めて同様の訴えを東京地裁に起こした。

 毎日新聞社と共同通信社、産経新聞社は1日、無断利用の即時停止などを求める抗議書を送付した。パープレキシティは2日、毎日新聞社に対し、「疑義が提起されていることについて、困惑と遺憾の意を抱いている」と回答した。【ワシントン西田進一郎】

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