台湾国防部（国防省に相当）は１７日、中国海軍の新型空母「福建」が１６日に台湾海峡を通過したとして空撮画像を公開した。

　国防部が撮影した福建の画像を公開するのは初めて。撮影場所や時間は明らかにしていない。「綿密に監視している」としている。

　顧立雄国防部長（国防相に相当）は甲板上に艦載機がなく、追加工事のため上海に向かっているとの見方を示し、現時点で軍事的行動は確認されていないと述べた。

　福建は中国３隻目の空母として１１月に南部・海南島で就役した。リニアモーターで艦載機を加速させて発艦させる「電磁式カタパルト」を米軍以外で初めて装備。高い攻撃・索敵能力を持ち、台湾統一を掲げる中国が米軍に対抗する上でカギとなる存在だ。

　台湾国防部によると、１６日午前６時からの２４時間で、中国軍機延べ９機と艦艇７隻が台湾周辺で活動。うち延べ５機が台湾海峡の中間線を越えた。【台北・林哲平】