トランプ氏は「アルコール依存症の性格」 側近が明かした人物評

2025/12/17 10:28 

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 米雑誌バニティ・フェア(電子版)は16日、トランプ政権を中核で支えるワイルズ大統領首席補佐官に対して約1年間で複数回にわたって行ったインタビューの内容などをまとめた記事を公開した。ワイルズ氏は、トランプ大統領を「アルコール依存症の性格」と評したほか、バンス副大統領を「陰謀論者」と呼ぶなど、人物評や意見の違いを率直に明かしている。

 公開後、ワイルズ氏はX(ツイッター)への投稿で「不当に仕立てられた中傷記事だ」などと記事を非難。「重要な文脈が無視され、私や他の関係者が述べた内容の多くが記事から省かれている」と指摘した。ただし、引用された言葉を語ったのかには触れなかった。

 記事によると、ワイルズ氏は、プロフットボールNFLの著名な解説者で、アルコール依存症だった父親を引き合いに出し、依存症の人は飲酒すると気が大きくなると言及。酒を飲まないことで知られるトランプ氏について「アルコール依存症の性格がある。自分にできないことは何もないという考え方で行動する」と話した。

 また、かつてトランプ氏を批判していたが、支持に転じて副大統領になった経緯があるバンス氏については、「(2022年の)上院選に立候補した時に転向した。転向はどちらかというと政治的なものだったと思う」と語った。

 政府効率化省(DOGE)を率いた電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)については、「完全な単独行動主義者」「公言しているケタミン(薬物)使用者」と評した。「難しいのは彼についていくことだ」と語り、米国際開発局(USAID)の閉鎖を巡って意見が対立したことなどを明かした。

 一方、少女らへの性的虐待罪などで起訴されて19年に死亡した米富豪エプスタイン氏の事件に関する資料の取り扱いについては、ワイルズ氏自身がこの問題の影響力を過小評価していたとし、ボンディ司法長官の当初の対応がまずかったとの見方を示した。問題の重要性を理解していた人物として、連邦捜査局(FBI)のパテル長官とボンジーノ副長官を挙げ、その際に「10年間にわたって陰謀論者であった(バンス)副大統領も」と付け加えた。

 ワイルズ氏はトランプ氏が信頼を置く側近の一人。政治コンサルタントとして24年大統領選でトランプ氏の選挙陣営を仕切った。選挙直後には、トランプ氏が閣僚級である大統領首席補佐官に指名すると発表し、「タフで賢く、尊敬されている」と説明していた。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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