オーストラリア東部シドニーのビーチで起きた銃乱射事件を巡り、容疑者の親子が、過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）の旗の前で犯行動機を語っているとみられる動画を撮影していたことが２２日、警察の裁判資料で明らかになった。豪メディアが報じた。また事件当時、不発に終わったものの、２人が爆発物４個を現場で投げていたことも判明した。

　警察が現地メディアに公開した裁判資料によると、押収した息子の携帯電話から、ＩＳの旗の前で銃を手に座る父子が、「シオニスト（イスラエル国家の信奉者）」を非難するなど、事件の動機を示すとみられる複数の発言をしている動画が見つかったという。

　別の１０月下旬に撮影された動画には、シドニー郊外とみられる場所で、２人が銃器の訓練をする様子も映っていた。また、現場近くの防犯カメラには、事件の２日前、容疑者とみられる男性２人が歩く姿も確認され、下見をしていた可能性があるという。警察はこれらが、「計画的なテロ行為」を示す証拠だと見ている。

　容疑者のうち父親は現場で警察官に射殺された。息子はテロ行為や殺人の罪などで訴追されている。【バンコク国本愛】