米、ウクライナ高官が3日間協議 「四つの文書」について議論

2025/12/22 10:50 

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 ロシアが侵攻を続けるウクライナ情勢を巡り、和平案を主導する米国のウィットコフ中東担当特使は21日、米南部フロリダ州でウクライナの代表団が、米国や欧州側と3日間にわたって協議を行ったと発表した。ウィットコフ氏は協議が「生産的かつ建設的だった」と評価し、「和平とは敵対行為の停止だけでなく、安定した未来に向けた尊厳ある基盤であるべきだ」と強調した。

 ウィットコフ氏のX(ツイッター)への投稿によると、米側からは同氏のほか、トランプ大統領の娘婿のクシュナー元大統領上級顧問ら、ウクライナ側からはウメロフ国家安全保障国防会議書記らが出席。主要な欧州の国々の高官も参加した。

 米とウクライナの協議では、20項目の和平案▽多国間による安全の保証の枠組みに関する調整▽米国による安全の保証の枠組みに関する調整▽経済復興の計画――の四つの文書について議論した。また「次の段階」に関する「タイムライン」や「優先順位付け」に重点が置かれたという。

 ウィットコフ氏は21日のXへの投稿で、フロリダ州で2日間、ロシア側とも協議を行ったと発表。米側からは同氏とクシュナー氏ら、露側からはプーチン大統領の側近でロシア直接投資基金総裁のドミトリエフ氏が出席した。

 ウィットコフ氏は協議が「生産的かつ建設的」だったとしたが、ウクライナ側との協議に関する発表とは異なり、詳細には触れなかった。

 米国は早期の和平の実現を目指して仲介を続けているが、ロシアとウクライナは領土問題やロシアの再侵攻を防ぐ「安全の保証」を巡って主張が対立している。ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、米国から、ロシアを交えた3カ国による直接会談の開催を提案されたと説明していたが、ウィットコフ氏の投稿では言及はなかった。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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