台北襲撃事件、数カ月前から計画か 当局はテロの可能性を否定

2025/12/20 22:59 

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 台北市中心部で19日に発生した連続襲撃事件で、台湾警察は20日に記者会見を開き、容疑者の無職男性(27)が単独で無差別に通行人らを襲ったとの見方を示した。テロの可能性は否定した。刃物で刺されるなどし、37~57歳の男性3人の死亡が確認されたほか、11人がけがをした。

 台湾当局によると、容疑者は19日午後5時20分(日本時間同6時20分)ごろ、台北駅で発煙弾や火炎瓶を投げ、周囲の人たちを刃物で襲った。その後、約700メートル北の中山駅付近の百貨店に侵入。店内外で通行人や買い物客らを切りつけた。容疑者は百貨店の建物から飛び降り、搬送先の病院で死亡が確認された。

 警察幹部は容疑者に関し、2年前に飲酒が原因で軍を除隊処分となり、今年7月に予備役訓練の招集に応じなかった容疑で指名手配されていたと述べた。

 事件前後の状況も判明した。容疑者は事件当時、防毒用マスクや防弾ベストを着用。襲撃前にオートバイや借りていた民家に放火していた。台北駅での襲撃後は、滞在していたホテルに戻ってから再び襲撃に及んでおり、ホテルの部屋からはガソリン入りの容器23本が見つかった。

 警察の発表では、押収した容疑者の電子機器の内部には社会への不満や要求を示す記録は確認されなかった。一方、中央通信社によると、捜査員がホテルの部屋に残されていたタブレットを解析したところ、数カ月前から事件現場を標的にしていたと思われる計画が見つかった。【台北・林哲平】

毎日新聞

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