米国務長官「日米同盟と米中協力は両立可能」 トランプ政権の立場示す

2025/12/20 11:36 

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 ルビオ米国務長官は19日の記者会見で、日米同盟を堅持しながら中国と協力関係を発展させることは可能だとする見解を表明した。ルビオ氏は政権きっての対中強硬派として知られるが、高市早苗首相の台湾を巡る国会答弁で日本への威圧を強める中国を批判せず、米中関係の進展を重視するトランプ政権の立場を強調した。

 ルビオ氏がこの問題について言及するのは初めて。「日本との強固な同盟関係の継続を確信している」と述べる一方、「中国の共産党や政府とも生産的な協力を模索できる」と主張。日中の緊張は「この地域でバランスを取らなければならない力学の一つだ」と指摘し、「中国は豊かな強国で、地政学の要因であり続ける」との認識を示した。

 その上で米中協力の重要性について言及。「米中が協力すれば世界的な課題も解決できる」と訴え、日本などインド太平洋の同盟国やパートナー国への「強固な関与」を損なうことなく、米中両国が「緊張と協力のバランスを取ることができる」と語った。

 中国との貿易交渉の進展を目指すトランプ大統領は同盟国の日本と双方に目配りし、一方への肩入れを避けている。米政権は国務省の報道担当者やグラス駐日大使が日本擁護の姿勢を発信しているが、政権幹部はトランプ氏と同様に中国を過度に刺激する言動を控えている模様だ。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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