ウクライナ和平交渉「まだ道半ば」 米国務長官、双方に隔たりと指摘
ロシアとウクライナの和平案を主導する米国のルビオ国務長官は19日の記者会見で、「進展はあったと考えているが、まだ道半ばだ。最も困難な問題は常に最後に残る」と述べ、和平に向けてロシアとウクライナの主張に依然として隔たりがあるとの認識を示した。米国は早期の合意を目指すが、交渉の先行きには不透明感も漂っている。
ルビオ氏は「この戦争が終わっていないのには理由がある。複雑な要因が絡んでいるからだ」と指摘。米国は現在、ロシアとウクライナがそれぞれ譲歩できるものと、得たいものを把握しようとしていると説明した。また、最終的な決定権はロシアとウクライナに委ねられるとし、「誰かに合意を押し付けるものではない」とも語った。
米国とウクライナの高官は19日、和平案を巡って、米南部フロリダ州で協議した。14〜15日のベルリンでの協議に続くもので、米国のウィットコフ中東担当特使やウクライナのウメロフ国家安全保障国防会議書記らが参加した。
ルビオ氏は協議は20日も行われ、自身も参加する可能性があると説明した。米ニュースサイト「アクシオス」によると、米側は近くロシア側とも協議する見通し。米露、ウクライナによる3者会談は計画されていないという。
ウメロフ氏は19日の協議に先立ち、X(ツイッター)に、ウクライナのゼレンスキー大統領が示した優先事項に従って動いているとし、「ウクライナの安全保障は確実かつ長期的に保証されなければならない」と投稿した。
和平案では、安全の保証が、領土に関する問題とともに大きな焦点となっている。米国は安全の保証に関与することに既に合意している。米紙ニューヨーク・タイムズによると、米欧とウクライナが取りまとめた文書には、欧州有志国の部隊がウクライナ国内に展開し、米国は情報活動を通じて停戦の監視などを担うと明記されているという。
ただ、ロシアはウクライナでの外国部隊の駐留に否定的だ。領土に関してもロシア側は割譲を迫るが、ウクライナは拒否する姿勢を崩しておらず、主張は対立している。【ワシントン松井聡】
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