政府、南米5カ国と経済連携協議を開始へ 2026年春にも

2025/12/22 12:48 

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 政府は来春にも、重要鉱物など天然資源が豊富な南米5カ国と、外務、経済産業、農水各省などの高官による経済連携協議を開始する方針を決めた。外務省は20日、5カ国で作る関税同盟(南米南部共同市場、メルコスル)との間で戦略的パートナーシップ枠組みを新設したと発表した。国内の経済界からは経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)締結を求める声がある。

 メルコスルはブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビアが加盟し、域内の関税撤廃を目的とする。日本とメルコスルはパートナーシップの共同声明に、将来の経済連携に向けた具体策について意見交換し、貿易・投資やサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化、デジタルなどでの協力に取り組む方針を盛り込んだ。

 5カ国のうちブラジルは鉄鉱石、アルゼンチンはリチウムなどが豊富で、日本には重要鉱物の供給多角化が見込める。欧州連合(EU)もFTA交渉を進める。一方で、牛肉や大豆などの農畜産物生産も盛んなため、国内の農業保護との両立が課題となる可能性もある。【田所柳子】

毎日新聞

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