東京都内の性的サービスを行う個室マッサージ店で、当時１２歳のタイ国籍の少女が働かされていた事件で、少女が２６日、タイに帰国した。タイ政府関係者が明かした。少女は当面、現地の保護施設で生活する。

　少女は６月下旬、母親（２９）と来日。東京都文京区の店で約１カ月間、約７０人の男性客に性的サービスを強要されたとされる。９月に東京出入国在留管理局を訪れ、助けを求めた。

　来日前はタイ北部で祖父母や妹と暮らしていた。事件後、家族を支援している「パウィーナ・ホンサグン子供女性財団」のパウィーナ代表は「経済的な困窮が背景にある」と指摘。「少女や妹が再び被害に遭うことなく、安心して学校に通えるよう、家族への継続的な経済支援を検討している」と話した。

　一方、少女の母親は、台湾で売春に関わった疑いなどで拘束され、２３日に台湾からタイへ移送された。人身取引などの容疑でタイ警察に逮捕されたが、容疑を一部否認しているという。【バンコク国本愛】