ウクライナ新国防相はデジタル改革に実績 史上最年少34歳で抜てき

2026/01/17 19:26 

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 ロシアから全面侵攻を受けるウクライナの新国防相にミハイロ・フェドロフ氏が就任した。これまで第1副首相兼デジタル転換相としてITや軍事のデジタル化で成果を上げてきており、ウクライナ史上最年少の34歳で抜てきされた。ウクライナ軍では無許可での離脱者が20万人に及び、前線の人員不足や疲労が指摘される。無人航空機(ドローン)やロボットの活用で不足する人員を補いつつ、軍の組織改革に踏み込めるかが焦点だ。

 「我々の目標は前線のインフラを改善し、うそと汚職を無くして新たな信頼を得ることだ」。フェドロフ氏は14日、国防相就任が承認された最高会議(国会)で初演説し、軍の改革に意欲を見せた。

 演説では、無許可での離隊者(AWOL)が20万件、兵役忌避が200万件に上ることも明らかにした。政府が士気の低下を裏付けるようなデータを示すのは異例だ。課題の深刻さをあえて公にし、改革への意欲をアピールする狙いとみられる。

 現地メディア「キーウ・インディペンデント」などによると、IT業界出身のフェドロフ氏はゼレンスキー政権下で2019年に28歳で入閣し、行政のデジタル化に成果を上げてきた。

 22年2月、ロシアが全面侵攻を始めた直後には、米実業家のイーロン・マスク氏に直接要請して米スペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」の早期導入に貢献。ドローン産業の育成にも取り組み、軍事面でも貢献してきた。

 演説では「ロボットを増やすことは、死者数を減らすことにつながる」と、無人機の導入拡大を誓った。「古い組織構造のままでは新たな技術で戦うことはできない」とも言及。組織運営の効率化や汚職対策にも取り組む考えを示した。

 国営原子力会社の汚職を巡って、ゼレンスキー大統領は昨年11月、最側近だったイエルマーク大統領府長官を解任。ゼレンスキー政権にとって大きな打撃となっている。

 フェドロフ氏の起用は、特殊作戦を主導し国民人気の高い情報当局トップのブダノフ氏をイエルマーク氏の後任に据えたのと並ぶ目玉の人事といえる。その成否は、消耗が続く戦況の打開に加えて政権浮揚も左右しそうだ。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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