トランプ氏、ノーム国土安保長官を解任 強硬な移民政策で批判の中

2026/03/06 06:41 

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 トランプ米大統領は5日、自身のソーシャルメディアで、政権の看板政策の一つである不法移民対策などを主導してきたノーム国土安全保障長官を解任し、後任に共和党のマリン上院議員を指名すると発表した。与野党からの批判が高まっていることを踏まえ、11月の中間選挙を念頭に事態の早期収拾を図ったとみられる。

 昨年1月に発足した第2次トランプ政権で、閣僚が交代するのは初めて。「閣僚級」としては、昨年5月に当時のウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が解任され、国連大使に転じていた。トランプ氏は今回の交代を「3月31日付」としているが、マリン氏が就任するには上院の承認が必要だ。

 ノーム氏は連邦下院議員などを経て中西部サウスダコタ州知事を務めた。保守派の知事として注目を浴び、第2次トランプ政権発足に伴って国土安保長官に就任した。移民・税関捜査局(ICE)などを所管し、強硬な移民対策を推進してきた。

 しかし、中西部ミネソタ州ミネアポリスでは今年1月、大規模な不法移民取り締まり作戦に抗議する米市民2人が連邦捜査官に相次いで射殺される事件が発生した。ノーム氏は発砲を正当化し、市民2人を「国内テロリスト」などと呼んだが、根拠が不明な発言として批判を浴びた。

 また、連邦議会では、ノーム氏が不法移民に自発的な国外退去を促す広告キャンペーンに2億ドル(約315億円)超を投じる決定をしたことを巡り、ノーム氏の選挙広告のような内容や契約の不透明さなどについて与野党から批判が出ていた。

 複数の米メディアによると、トランプ氏はミネアポリスでの作戦の後、複数のアドバイザーらにノーム氏に不満を持っていると伝えていた。さらに、今月初旬の議会公聴会で、広告キャンペーンについて共和党議員から追及を受けたノーム氏がトランプ氏も事前に承認していたと説明したことが怒りを買い、解任につながったという。トランプ氏は、ロイター通信の取材に「私はそのことについて何も知らなかった」と述べた。

 トランプ氏は投稿の中で、ノーム氏について「特に国境問題で数多くの目覚ましい成果をあげた」とたたえたうえで、西半球における新たな安全保障構想に関する特使に就任すると説明した。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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