市場が乱高下 「米軍がタンカー護衛成功」と米エネ長官の誤投稿受け

2026/03/11 10:55 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ライト米エネルギー長官は10日、X(ツイッター)で、事実上の封鎖が続くホルムズ海峡について「通過する石油タンカーの護衛に米海軍が成功した」と投稿した。投稿は数分後に削除され、ホワイトハウスのレビット報道官は同日の記者会見で「護衛の事実は確認できない」と否定した。

 ライト氏の投稿を受け、10日のニューヨーク原油先物市場は指標となる米国産標準油種(WTI)が下落し、一時1バレル=76ドル台を付ける場面もあった。しかし、投稿削除後に取引価格は上昇に転じ、投稿前の水準に戻った。

 米CNNはライト氏の投稿後、情報筋の話として、米海軍は石油タンカーを護衛していないと報じた。ロイター通信も海運業界からの船舶の護衛要請を米海軍が攻撃のリスクがあるとして拒否していると伝えている。イランがホルムズ海峡に機雷を敷設し始めたとの情報もあり、原油価格は激しく乱高下している。

 トランプ米大統領は3日、ホルムズ海峡での円滑な船舶の航行に向け、米海軍によるタンカーの護衛構想を明らかにしたものの、実際に護衛に当たる艦船の確保など課題が山積している。

 ライト氏は削除した投稿で「トランプ大統領は対イラン軍事作戦の間も、世界のエネルギーを安定させている」と強調。「世界の市場への石油供給が途絶えないようにした」と成果をアピールしていた。原油高騰を抑える狙いがあったとみられるが、市場をさらに混乱させる結果となった。

 米ブルームバーグ通信は原油市場の乱高下について「いかに脆弱(ぜいじゃく)で、一つ一つの見出しに反応しているか浮き彫りにしている」との市場関係者の見方を伝えた。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース