EU首脳会議、中東から大勢の難民流入を警戒 管理強化呼びかけ

2026/03/20 12:43 

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 欧州連合(EU)は19日、ブリュッセルで首脳会議を開き、イランやウクライナ情勢への対応を協議した。イラン情勢を巡っては、不安定化した中東から大量の難民が域内に流入する事態への警戒を示した。昨年12月に決定したウクライナへの900億ユーロ(約16兆4000億円)の融資についても協議したが、ウクライナと対立を深めるハンガリーの反対を崩せず、実行は先送りされた。

 会議後の20日未明に開かれた記者会見で、EU行政執行機関トップのフォンデアライエン欧州委員長は、100万人規模の難民・移民が押し寄せた2015年の「欧州難民危機」に言及し、「二の舞いは許されない」と加盟国に国境管理の強化などを呼びかけた。

 合意文書では、イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖を改めて非難し、航行の自由を尊重するよう求めた。原油・天然ガスの供給不安を背景に、欧州でもインフレ(物価上昇)懸念が高まっている。また、加盟国海軍による護衛活動の強化に言及した。

 一方、ウクライナへの融資実行には、オルバン政権が率いるハンガリーが反対した。ハンガリーは自国が融資に加わらない条件で昨年12月に合意していたが、態度を翻した形だ。コスタ欧州理事会常任議長(EU大統領)は「ハンガリーがしていることは到底受け入れられない。何者もEUを脅すことはできない」と名指しで批判した。

 ハンガリーは4月12日に総選挙を控える。オルバン氏率いる与党は、EUの移民政策やウクライナ支援への反対を掲げて支持基盤を築いてきた。世論調査では主要野党の支持率を下回っており、支持拡大に向けて姿勢を先鋭化させているとみられる。融資の実行を巡る議論は、総選挙後まで持ち越される可能性が高い。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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