ASEAN、海峡の「通過許可」確保相次ぐ イランと個別に交渉
イランによるホルムズ海峡の封鎖状態が続く中、東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要国が個別交渉を通じ、海峡の「通過許可」を得る動きが相次いでいる。エネルギーの中東依存度が高い各国にとって、通航確保が政権の死活問題となっているためだ。
フィリピン外務省は2日、ラザロ外相がイランのアラグチ外相と電話協議し、比船籍の「安全で妨げのない迅速な航行」の保証を得たと発表した。ラザロ氏は同日、X(ツイッター)に「(イランの)温かい協力の精神に感謝する」と投稿。原油輸入の9割超を中東に依存するフィリピンは、3月下旬に「国家エネルギー非常事態」を宣言し、ロシアなど代替供給源の確保を急いでいた。
各国メディアによると、マレーシアも3月下旬、イランから自国船舶の通過許可を得たと発表。ローク運輸相は、海峡で滞留していた船7隻が、通航料免除で近く通過できる見通しだと明らかにした。ホルムズ海峡で自国船が攻撃を受け、乗組員3人が行方不明となっていたタイも3月28日、イランと交渉し、通航保証を取り付けたと発表している。
インドネシアやベトナムもイランとの交渉を進めており、駐インドネシア・イラン大使は今月1日、記者団に対し「インドネシアは友好国の一つだ」と述べ、同国船舶の一部が既に海峡を通過したと明らかにした。
イランは国連の国際海事機関(IMO)加盟国に対し、「非敵対的」な船舶に限りホルムズ海峡の通過を認めると通知したとされる。一部の商業船には高額の通航料を課す一方、「友好国」には優遇措置を取っている可能性も報じられている。
ASEAN主要国が独自交渉を進める背景には、海峡を通過する原油や液化天然ガス(LNG)の大半がアジアに輸送されており、封鎖による燃料不足や価格高騰が経済に深刻な影響を与えていることがある。ただ、こうした動きはイランによる海峡の政治利用を助長するとの懸念もある。【バンコク国本愛】
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