イラン、米軍機2機を撃墜 戦闘開始後初か 米紙報道

2026/04/04 09:31 

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 米国・イスラエルとイランの戦闘を巡り、米紙ワシントン・ポストは3日、複数の米当局者の話として、イラン国内で米軍機2機が撃墜されたと報じた。米兵1人が行方不明となり、米軍の捜索活動中に別の1機も攻撃を受けて墜落したという。

 2月末に戦闘が始まって以来、イランによる米軍機の撃墜は初めてとみられる。米側はイランの軍事施設を破壊して航空優勢を確保したとしていただけに、トランプ米政権にとって打撃となる可能性がある。

 米NBCニュースなどによると、撃墜されたのはF15E戦闘機とA10攻撃機。F15Eはイラン南西部で撃ち落とされた。米軍は乗員2人のうち1人を救助し、残る1人の捜索を続けている。A10は捜索中に攻撃され、クウェート領空まで飛行して乗員が無事に脱出した後に墜落した。さらに、多目的ヘリコプターUH60ブラックホーク2機も捜索中に攻撃を受けたが、無事に基地に帰還したという。

 精鋭軍事組織・イラン革命防衛隊は防空システムで米軍の戦闘機を撃墜したと主張している。イラン当局は市民に対し、「敵のパイロット」を治安機関に引き渡せば報酬を支払うと呼びかけているという。

 トランプ大統領は1日にホワイトハウスで行った演説で、イランの軍事力は「完全に破壊された」などと主張していたが、イランは一定の防空能力を維持している可能性がある。

 イランとの戦闘では、これまでに米兵13人が死亡している。米国内の世論調査では、軍事作戦への反対が賛成を大きく上回っており、今後の軍事作戦に影響を与える可能性もある。ただ、トランプ氏はNBCの取材に応じ、米軍機の撃墜は今後のイランとの交渉には「影響しない」との見方を示したという。

 停戦に向けた米国とイランの協議を巡っては、パキスタンが仲介に乗り出している。だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、イラン側は今後数日以内にパキスタンで協議に応じる用意はないと仲介国に伝えた。トルコやエジプトはイスタンブールなどでの代替開催などを検討しているというが、先行きは不透明だ。

 戦闘は激しい応酬が続いている。前日の米軍の攻撃で高速道路の橋を破壊されたイランは3日、湾岸諸国のインフラ施設を標的に報復を続けた。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによると、アラブ首長国連邦(UAE)では西部ハブシャンの天然ガス関連施設にミサイルの破片が落下して火災が発生し、1人が死亡。この施設は操業を停止した。クウェートでも無人航空機(ドローン)攻撃により製油所で火災が起きた。発電所と海水の淡水化施設も攻撃され、一部が損傷した。イラン軍の報道官は3日、「中東に米軍基地を駐留させている国々は、攻撃を受けたくないならば、米軍を自国から撤退させるべきだ」と主張した。

 イスラエル軍も3日、イラン中西部の弾道ミサイルの発射拠点などを標的に70回以上の空爆を行った。ネタニヤフ首相は同日、製鉄所への攻撃によりイランの鉄鋼生産能力の約7割を破壊したと主張し、革命防衛隊の兵器を作る能力を奪ったとして「成果」を誇った。【ワシントン金寿英、エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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