EU大統領がロシアと「直接外交」模索 加盟国は「寝耳に水」か
欧州連合(EU)のコスタ欧州理事会常任議長(EU大統領)が、ウクライナへの全面侵攻を続けるロシア側と接触したことが明らかになった。EUはロシアに経済制裁を科し、外交関係を遮断してきた。米国主導の和平交渉で「欧州」の埋没回避を狙った動きとみられるが、加盟国間では戸惑いや反発の声も聞かれた。
「私が取り組んでいるのは外交ルートの確立だ。ロシアからのメッセージの解釈を他国に頼ることはできない。ロシアに直接伝達できることも必要だ」。コスタ氏は19日、EU首脳会議後の記者会見で、自身の行動をこう正当化した。
米ブルームバーグ通信が17日、コスタ氏の補佐官がプーチン大統領に近いロシア政府高官とこのほど2度、電話協議をしたと報じた。会議に集まった加盟各国首脳にとって寝耳に水だったとみられ、コスタ氏は釈明に追われた。
特に、主要加盟国の独仏の反応は芳しくない。実際に和平交渉に入れば、EU非加盟の英国も含めた欧州主要国によるウクライナへの「安全の保証」を巡る動向がカギを握るからだ。
マクロン仏大統領は19日、コスタ氏は「安全の保証については(欧州を)代表できない」と指摘した。
しかし、コスタ氏は独仏に理解を示した上で「EUの利益はEUの機関が守る必要がある」と交渉関与には改めて意欲を示した。
ロシアが攻撃の手を緩めない段階では、交渉に前向きと受け取られるような行動は慎むべきだとの声も根強い。ブルームバーグによると、ロシアの飛び地と国境を接するリトアニアのナウセーダ大統領は、「今がプーチン氏との交渉を始める好機とは思えない」と指摘した。ウクライナ情勢への対応を巡り、欧州内で改めて意見の隔たりが露呈している。【ブリュッセル岡大介】
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