ウクライナ首相にガス企業CEO ゼレンスキー氏「冬対策」人事
ウクライナのゼレンスキー大統領が内閣改造に着手した。昨年7月に就任したスビリデンコ首相を解任。16日、後任にウクライナ国営ガス企業「ナフトガス」最高経営責任者(CEO)のセルヒー・コレツキー氏が首相に選出された。エネルギー施設への攻撃が激化する冬を前に、対策に力を入れる。
ゼレンスキー氏は15日、キーウでの記者会見で「冬に向けて準備しなければならない。そのためにはコレツキー氏が最も首相にふさわしい人物だ」と述べ、コレツキー氏を首相に指名すると表明。16日、ウクライナ最高会議(議会)で承認された。
ウクライナでは昨年の冬、ロシアによるエネルギー施設への攻撃が寒波と重なり、市民生活に大きな被害が出た。ゼレンスキー氏は12日にX(ツイッター)で冬に向けた対策が「非常に重要な優先事項」であるとし、「新たな政治戦略の遂行のため、内閣の刷新が必要だ」と表明していた。
スビリデンコ氏は12日に辞任を表明し、14日に議会で承認された。
一方、ウクライナメディアによると、ゼレンスキー氏は今年1月に就任したばかりのフェドロフ国防相の解任も決定した。
IT業界出身のフェドロフ氏は、ロシア軍が不法に使用していた米スペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」の通信を遮断させる取り組みを主導。無人機(ドローン)の使用効率を大幅に低下させ、最近の戦況の好転に貢献したとして評価されていた。解任の理由は明らかにされていないが、軍指導部との不仲が指摘されている。
今回の内閣改造は、前回新内閣が発足してから約1年という、比較的短期間で着手された。
ウクライナメディアによると、これには昨年11月のイエルマーク前大統領府長官の失脚が影響しているとの見方がある。イエルマーク氏はゼレンスキー氏の「右腕」として権力を握ったが、汚職疑惑で更迭され、今年5月に拘束された。
スビリデンコ氏はイエルマーク氏の元部下で、首相となってからもイエルマーク氏と密接に連携して政権運営に当たっていた。だがイエルマーク氏が不在となってからは「指示役」を失い、意思決定力に欠けるとみなされていたという。【ベルリン五十嵐朋子】
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