米、グリーンランドに新基地 「領有」主張は事実上取り下げ

2026/09/23 09:26 

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 米国とデンマーク、同国自治領グリーンランドの3政府は22日、グリーンランドにおける米国の軍事活動強化を認める新たな協定に署名した。トランプ米大統領はグリーンランドの「領有」の主張を事実上取り下げる一方、新たな基地整備などを進めて影響力確保を狙う。

 ◇米欧対立の火種となっていた

 グリーンランドを巡っては、トランプ政権が領有のために軍事力や経済的圧力の行使も辞さない方針を示し、米欧対立の火種となってきた。今回の合意により、双方の緊張も一定の緩和に向かうとみられる。

 ニューヨークの国連本部であった調印式で、トランプ氏は「長期的に素晴らしい関係を構築できる」と述べた。デンマークのフレデリクセン首相、グリーンランドのニールセン自治政府首相も「3者が利益を得る」などと歓迎した。

 米国は新協定に基づき、グリーンランド南部と東海岸に新たな基地建設を進める。現在、北西部で運用しているピツフィク宇宙軍基地と合わせ、3基地体制となる。米軍機は無制限でグリーンランドの上空を飛行できる。

 ◇NATO非加盟国の部隊駐留など禁止

 中国やロシアの影響力の阻止を目指し、北大西洋条約機構(NATO)非加盟国がグリーンランドで基地を建設したり、部隊を駐留させたりすることを原則禁止。非加盟国が安保上機微な投資を行えないようにする。

 ◇「領有」主張の米国は譲歩

 一方で、「デンマークの主権や領土を再確認する」「グリーンランド住民は国際法に基づく自決権を有する」と明記し、米国は「領有」の主張で譲歩した。協定の有効期間は無期限で、グリーンランドが将来的に独立した場合でも義務の継承を求めている。

 グリーンランドはレアアース(希土類)など豊富な鉱物資源があるほか、周辺海域は「北極海航路」の要衝として注目されている。トランプ政権は購入や領有に意欲を示し、軍事力や経済的圧力の行使も排除しない姿勢を示してきた。今年1月には、グリーンランド領有に反対する英独仏などからの輸入品に対して追加関税を課すと表明。その後撤回したものの、米国と欧州の対立が続いていた。

 ◇トランプ氏が得意とする交渉手法

 相手に高い要求を突き付けた上で、一定の譲歩を引き出すのはトランプ氏が得意とする交渉手法だ。今回も11月の中間選挙を前に、米有権者に米国の影響力が拡大した「成果」としてアピールする狙いもありそうだ。【ワシントン平野光芳】

毎日新聞

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