権力は「領土」から「データ」に グテレス事務総長が最後の演説

2026/09/23 10:05 

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 各国の首脳が集まり、22日に米ニューヨークで始まった国連総会一般討論で、12月末で退任する国連のグテレス事務総長が最後の演説を行った。

 ◇世界が直面する四つの試練

 グテレス氏は世界が、平和と安全▽不平等▽気候変動▽人工知能(AI)――の四つの試練に直面していると指摘。全てに「権力」が大きく影響しており、権力のルールを作る国連が「十分な強さと決意を持たなくてはならない」と訴えた。

 平和と安全を巡っては、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区での殺りくや、ロシアによるウクライナ侵攻を受けたエネルギー施設の破壊、「世界が目を背けている」スーダンの内戦、ミャンマーでの暴力激化に言及。各国が国連憲章を守り、民間人を保護する重要性を訴えた。

 ◇「常任理事国にアフリカ諸国を」

 また、第二次大戦下で設計された安全保障理事会は世界の変化を「反映していない」と指摘し、常任理事国にアフリカ諸国を入れるなどの改革を促した。

 不平等を巡っては、人類が史上最も多くの富を得ているのに「数十億人の手には届いていない」と指摘。気候変動については、欧米の大手石油会社が多額の利益を得ているのに、先進国から途上国に提供される環境対策資金はその10分の1以下であると述べ、「最も汚染を引き起こし、利益を得た者が努力をしなくてはならない」と述べた。

 ◇多極化に向かう世界で…

 驚異的な速度で進歩するAIについては、これまで「領土や金融」から生じていた権力が「データ」に移行したと主張。「優れたAIを持つ政府ほど人類への責任も大きい」と述べ、多国間でリスクを管理する枠組みを構築すべきだと訴えた。

 また近年、新たに力を持った国家が台頭したほか、民間企業、そしてAIにも権力が移転しつつあり、世界は「多極化」に向かっていると指摘。超大国は、自らの力がもはや「巨大」ではないことを認識し、強さと決意を持った国連を中心にしたネットワークを重視すべきだと訴えた。【ニューヨーク三木幸治】

毎日新聞

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