WHO、ロシアにペスト疑いの追加情報要求 「全体像つかめず」

2026/10/08 15:50 

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 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は7日の記者会見で、ロシアの東シベリア・イルクーツク州でペスト対策研究所の職員が肺炎で死亡したことを巡って、ロシアに追加の情報提供を求めていると明らかにした。

 ロシア側はWHOの照会に対して「イルクーツク州でペストの感染例は確認されていない」と回答したが、WHOは「全体像をつかめておらず、しっかりしたリスク評価ができない」としている。

 ◇「2例目の肺炎」報道の確認も要請

 テドロス氏によると、10月2日にペスト対策研究所の職員が肺ペストに感染した疑いがあるとの最初の報道があった。職員は重度の肺炎になり、搬送先の病院で死亡した。

 当初の報道は「実験室での事故で肺ペストに感染した可能性」を示唆しており、ロシア政府も2日に対応を協議する会議を開いたという。

 WHOは3日、ロシア政府に情報提供を要請。6日に回答があり、露側は「イルクーツク州で最近、ペストの感染例は報告されていない」とした上で、約200人に隔離措置をとっていたと説明した。

 ただ、テドロス氏は「亡くなった職員の詳しい検査結果について(露側に)情報提供を求めている。公衆衛生措置をとった経緯や職員に接触した人たちの健康状態についても詳細な情報を求めた」と説明。「別の職員も原因不明の肺炎にかかった」との報道についての確認も求めているという。

 ◇トランプ氏、生物兵器の臆測否定

 ロイター通信によると、死亡した職員は28歳の女性研究員。露側は女性が肺炎にかかった原因は不明だとしている。

 米国ではロシアでの「ペスト感染疑い」がさまざまな臆測を呼んでおり、7日にはトランプ大統領に対して記者団から「ロシアのペストは生物兵器なのか」との質問も出た。トランプ氏は「そうは思わない。彼ら(露側)の話では、事態は制御されている」と述べた。

 厚生労働省によると、ペストにはネズミなどからノミを介してヒトに感染する腺ペストと、せきなどによる飛沫(ひまつ)感染でヒトからヒトに感染するリスクがある肺ペストがある。肺ペストは高熱や呼吸困難、重度の肺炎などを引き起こし、発症から24時間以内に生命に危険が及ぶ可能性がある。

 WHOによると、1990年代以降、ヒトへのペスト感染例の大半はアフリカで報告されている。【秋山信一】

毎日新聞

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