自民1期生「受け取れないと未開封で返した」 石破首相の商品券配布

2025/03/14 20:21 

 石破茂首相が自民党衆院1期生に10万円分の商品券を配っていた問題。商品券を受け取った議員側やその関係者の間では戸惑いが広がった。

 衆院大分2区選出の広瀬建氏は昨年10月の総選挙に無所属で出馬し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で処分を受けた長老議員らを破って初当選。その後、自民入りした。広瀬氏の後援会関係者は「国会運営で苦労している時期に『なぜ』という思いだ。広瀬氏は『政治とカネ』の問題に決別すると訴えて当選した。巻き込まないでほしい」と訴えた。ある男性支援者も「首相はことの重大さを分かっていないのか。迷惑だ」と憤った。

 広瀬氏の東京事務所は取材に対し、受け取った商品券は石破茂首相側に返還したとしたうえで、詳細については書面での質問を求めた。毎日新聞は返還理由などを尋ねる書面を送ったが、14日午後6時半までに回答はなかった。

 福岡5区選出の栗原渉氏は事務所を通じて「石破事務所から3日昼に当方の事務所に届けられた。商品券は後日、石破事務所に返した」と文書で説明。その後、毎日新聞の取材に応じた栗原氏は「(他の議員から紙袋の)中身を聞いて、世の中の当たり前の感覚として受け取れないと思い、未開封のまま11日ごろにお返しした」と語った。首相の行為についてのコメントは避け、首相に批判が集まっていることに「残念なこと」と述べるにとどまった。【石井尚、李英浩、後藤浩明、平川昌範】

毎日新聞

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