都議会自民の裏金事件 不記載巡り、元幹事長「慣例だった」繰り返す

2025/04/17 08:00 

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 都議会の会派「都議会自民党」による裏金事件を受けて設置された政治倫理条例検討委員会は16日、裏金づくりがあった当時の幹事長のうち、小宮安里議員の参考人招致を行った。各会派からは再三、政治資金パーティー収入のノルマ超過分を各議員が政治資金収支報告書に記載しなかったことについて問われたが、小宮氏は「慣例だった」と繰り返した。

 小宮氏は「(不記載が)いつから、誰の指示であったか確認できなかったが、やり方の問題点を認識せず、継続してきた責任は今の私たちにある」と改めて謝罪した。

 都民ファーストの会の遠藤千尋議員からノルマ超過分の使途について問われると、「議員がそれぞれの責任で政治活動に充てさせていただくという判断だった」と説明。共産党の白石民男議員からは各議員の超過分の保管先を調査したかを聞かれ、「おおむね政党支部の口座や後援会の口座で管理していた」とした。小宮氏自身も計約250万円の不記載があったが「現金で預かったものはその都度、政党支部の口座に入金し、すべて口座の中で分かるようにしていた」と釈明。立憲の関口健太郎議員から、不記載額を政治資金に使ったという証拠はあるのか質問されると「間違いなく政治活動に充てている」と反論した。

 一方、自民党からの質問はなかった。

 裏金事件を巡っては、2019年12月と22年5月に開かれた政治資金パーティーの収入の一部など計約3500万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、会派の会計担当職員が政治資金規正法違反で略式起訴され、罰金100万円の略式命令を受けた。一方、現職ら26人がノルマを超過した計約2900万円を収支報告書に不記載だったことが明らかになった。

 同委員会は9日、裏金づくりがあった当時の幹事長2人への参考人招致を決めた。もう1人の鈴木章浩議員の招致は23日に行われる予定。【遠藤龍、柳澤一男】

毎日新聞

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