大阪・守口市議会、3度目の会期延長 市民生活にも影響 背景は

2025/04/26 10:15 

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 大阪府守口市の2月定例議会が会期延長を繰り返し、今年度の一般会計当初予算案がいまだに議決されない異例の事態が続いている。本来の会期は3月24日までだったが、4月25日に3度目の延長をし、会期を5月30日までとした。原因は、市内の各スポーツ団体への補助金を巡り、議会側が市の対応を疑問視していることだ。暫定予算案は可決しているが、当初予算案に盛り込まれた子育て支援事業など新規事業に手が付けられていない。

 瀬野憲一市長は維新だが、市議会21人中、最大会派は公明の7人。維新は5人で他会派の協力が欠かせない。議会事務局によると、当初予算案の議決が新年度にずれ込むのは2010年度予算案の審議以来2度目。2月議会の会期は市制施行以来最長となった。

 市によると、市内の各スポーツ団体は市スポーツ協会に個人登録料(1人200円)を支払っていた。登録料と同額が協会から各団体に戻されていたが、登録料も補助対象となっており、こうした金銭の流れが適切かなどと問題になった。

 この日の本会議では、説明が十分でないとして「市長の対応は極めて不誠実」と批判が相次いだ。議会は24年8月に同協会への補助金などに関して調査特別委員会(百条委)を設置。同年12月に瀬野市長への辞職勧告決議案を可決した。

 市民生活にも影響が出始めている。市は4月から、子育て支援で産婦健診補助や新生児聴覚検査費助成などを始める予定だった。また、物価高騰対策で全世帯に商品券4000円分を配布する事業の実施時期も夏から秋口へとずれ込むという。

 瀬野市長は取材に「市民に申し訳ない。一刻も早くこの状態を脱出できるようにしたい。議会の不信感を払拭(ふっしょく)できるような調査(結果)を提示したい」と話している。【稲垣淳】

毎日新聞

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