立憲の食料品消費税率ゼロ案 石破首相「検討が必要」と慎重姿勢

2025/04/30 20:40 

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 石破茂首相は30日、立憲民主党が1年間の時限措置として主張する食料品の消費税率ゼロ%への引き下げについて「事業者がごく短い間に2回のシステム変更(を行う)ということが本当に可能か、事務の負担はどうなのかという問題がある」と述べ、慎重姿勢を示した。「高所得者も含めて負担が軽減される。低所得者が物価高に一番苦しんでいることから考えればどうなんだろうねということについて、よく検討が必要だ」とも語った。訪問先のフィリピン・マニラで記者団の質問に答えた。

 首相は、公明党の斉藤鉄夫代表が7月に与党として新たな経済対策を策定したいとの考えを示したことには「今の時点で新たな経済対策を考えているわけではない」と述べるにとどめた。

 首相は27~30日にベトナムとフィリピンを訪問。ベトナムのファム・ミン・チン首相との会談では米国の関税措置を踏まえ、多角的自由貿易体制の維持・強化に寄与していくことで一致。フィリピンのマルコス大統領とは、自衛隊とフィリピン軍が物資などを融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)の締結に向けて交渉を開始することで合意した。首相は「首脳同士の個人的な信頼関係の構築や安全保障協力の強化で意義があった」と述べた。

 首相は30日夕(日本時間同)に政府専用機でマニラ国際空港を出発し、帰国の途に就いた。【マニラ光田宗義】

毎日新聞

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