厚労相「専門家による審議の場設ける」 生活保護訴訟受け

2025/07/01 16:09 

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 2013~15年に生活保護費を最大10%減額した厚生労働省の措置を違法とした最高裁判決を受け、福岡資麿厚労相は1日の閣議後記者会見で「判決の趣旨や内容を踏まえた対応のあり方について、早期に専門家によりご審議をいただく場を設けるべく、検討を進めたい」と述べ、会議体を設置する考えを示した。

 6月27日の最高裁判決は、13年度の生活保護費減額の根拠の一つとなった、物価下落率を反映させる「デフレ調整」を違法と判断、減額決定を取り消した。

 厚労省によると、会議体は生活保護費の基準を検討する専門家部会とは別に新設する。学識経験者らを委員とし、訴訟の原告や生活保護の窓口業務を担う自治体職員からも意見や要望などをヒアリングする方針。

 厚労省の担当者は「7月中に開催できるよう調整を進めたいが、日程調整もあるので現段階での開催時期は見通せない」と説明している。

 生活保護費の基準は就学援助などの他制度とも連動しており、原告は他制度への影響調査なども求めている。担当者は「論点の一つになると思うが、まずは生活扶助基準への対応を検討したい」と話した。【寺原多恵子、肥沼直寛】

毎日新聞

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