現金給付や消費減税、トランプ関税を巡り論戦 8党首討論会

2025/07/02 20:18 

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 第27回参院選は3日公示され、20日に投開票される。2024年10月に発足した石破茂政権は同月の衆院選で大敗し、過半数を持たない少数与党に転落。約9カ月間の政権運営を踏まえ、参院で非改選議席を含めて自民、公明両党の与党で過半数を維持できるかが焦点となる。

 公示に先立つ2日、与野党の8党首は日本記者クラブ主催の討論会に出席し、現金給付や消費減税などの物価高対策の他、トランプ米政権の関税措置を含めた外交・安全保障問題などで論戦を交わした。

 石破首相(自民総裁)は「揺るぎない安心な日本を責任を持って作りたい」と述べ、賃上げを中心とした経済成長を目指すと強調。消費減税の実施を改めて否定した。公明の斉藤鉄夫代表は「給付も減税も行う」と、医療分野などの賃上げも重視する考えを示した。

 立憲民主党の野田佳彦代表は「物価高からあなた(国民)を守り抜く」として、時限的な食料品の消費税率0%を掲げた。「財源もしっかり打ち出した。責任ある減税だ」と強調した。日本維新の会の吉村洋文代表は現役世代の負担減を図るため、社会保険料を引き下げる社会保障改革の必要性を指摘。「今の若者が活躍できる社会を目指す」と述べた。

 共産党の田村智子委員長は消費減税を実現するため「参院でも自公を少数に追い込む」と訴えた。国民民主党の玉木雄一郎代表は「現役世代が『報われる』という実感がないのが最大の問題だ」として、「手取りを増やす経済政策が必要だ」と語った。

 れいわ新選組の山本太郎代表は消費税廃止や1人あたり10万円の給付を訴え、参政党の神谷宗幣代表は「移民や外国人に頼らない国家運営」を目指すとした。

 討論会には、現職の国会議員5人以上▽直近の国政選挙の得票2%以上――という政党要件の両方を満たす8党が出席。社民党の福島瑞穂党首は「軍拡に反対だ」として社会保障関係予算などの充実を、日本保守党の百田尚樹代表は恒久的な食料品の消費税率0%を、それぞれビデオメッセージで訴えた。

 自民、公明両党が参院でも過半数を失えば、政権運営が厳しさを増すのは必至。与党は定数248のうち、過半数の125議席を目指す。非改選は両党で計75議席あり、与党で50議席を獲得すれば過半数を維持できる。【飼手勇介】

毎日新聞

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