参政党が銀座で第一声 訪日外国人ら「日本人ファースト」に困惑

2025/07/03 12:49 

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 3日公示された参院選で、参政党の神谷宗幣代表は東京・銀座で第一声を行い、「今回のキャッチコピーは『日本人ファースト』だ」と訴えた。インバウンド(訪日外国人客)でにぎわう銀座の外国人からは戸惑いや困惑の声が聞かれた。

 第一声の演説場所に選ばれたのは百貨店「銀座三越」前。外国人客が買い物を楽しんでいた店の入り口前には参政党の支持者らが集まり、警備の腕章を付けた三越の係員が交通整理に追われた。

 神谷氏は演説で「日本が貧困になった背景にはグローバリズムがある。外国人の資本が入ってきて土地や企業の株などが買われている。そうしたことに一定の規制をかけていく」と主張。「安い労働力だからといって野放図に外国人を入れていたら日本人の賃金は上がらない」と述べた。

 教育関係の仕事で1カ月間来日しているアルゼンチン人の男性(38)は「世界的な右翼的思想が、日本にも来たということだと思う。彼らが言っている主張は、理解はできるが好きではない」と困惑。「日本の民主主義が軍国主義のようにならないことを信じたい。武士道などの日本文化や日本食が好きだ」と語った。

 米国人の女性は「(参政党の)政策を詳しく知らないので、言えることはあまりない」と前置きした上で「世界はグローバリズムの時代にあるのに」と戸惑いの表情を浮かべた。

 家族旅行中の中国人の40代男性は「日本は美しい。娘たちが『鬼滅の刃』のアニメが好きだから、日本に来た」と説明。「日本人ファーストを掲げるのは問題ない。どこの国も自分たちの家族、国民が大事だ。特に怖さは感じない」と語った。

 観光庁によると、2024年の訪日外国人数は約3687万人。外国人による消費額は8兆1257億円で、いずれも過去最高となった。【安部志帆子】

毎日新聞

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