投票所にガチャガチャ設置も 投票率アップへあの手この手 栃木

2025/07/07 11:00 

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 20日投開票の参院選で、各地の自治体が、若年層や子育て世代を中心とした投票率の向上をめざし、独自の工夫を凝らしている。栃木県の鹿沼市や那須烏山市などでは、投票をより身近に感じてもらおうと、利便性の向上や楽しい仕掛けを取り入れた取り組みが進められている。【松沢真美、有田浩子】

 鹿沼市の市民団体「かぬま選挙割実行委員会」は、東部台コミュニティセンター(同市緑町1)で「選挙割マルシェ」を開催する。期間は7~20日(19日は休み)。

 「選挙割」は、投票後に投票所で申し出て受け取る「投票済証」を提示することで、協賛店で割引などのサービスを受けられる取り組み。同団体は2015年に東部台地区の地域住民有志で発足し、以降、すべての選挙でキャンペーンを展開してきた。投票済証の発行数も年々増加し、確実に定着しつつある。

 今回はマルシェを新たに期日前投票と投票日に合わせて開催。クレープやかき氷、ホットドッグなど9種類の店舗が出店。日替わりで1日2~6店が並び、投票済証を提示すると、本人と同伴する18歳未満の子どもに50~100円の割引が受けられる。

 恒例の選挙割キャンペーンも7月21日~8月3日に実施され、市内の飲食店や書店、木工店、整体など計19店舗が参加予定。同団体代表の浜野昌平さんは「マルシェやキャンペーンを通じて、少しでも投票率向上につなげたい」と話す。

 また、同市選挙管理委員会も、三つの新たな取り組みを行う。

 まず、期日前投票の利便性向上については、通常平日のみだった東部台コミュニティセンターの期日前投票所を、12、13日の土日にも開設。さらに、東部台・菊沢・北犬飼・粟野の各コミュニティセンターでは、17、18日の開設時間を午後9時まで延長する。

 選挙期間中の投票所までの移動支援として、コミュニティーバス「リーバス」とデマンド型交通の「予約バス」を利用する場合、往復で400円相当の運賃を無料とする。行きは「投票所入場券はがき」、帰りは投票所で受け取った「バス無料券」を運転手に提示する。

 また、若年層へのアピール策として、18歳の新有権者を対象に投票立会人を公募。22人の応募があり、それぞれ居住地近くの投票所で参加してもらう予定だ。

 那須烏山市選挙管理委員会は、子連れ投票を促すため、烏山庁舎と南那須庁舎の期日前投票所にガチャガチャを設置した。設置は県内初めて。

 若年層の投票率向上と、子どもに選挙への関心を高める機会をつくり、将来の投票につなげる狙いがある。

 同市は、これまでも子連れ投票を促すため、缶バッチなどをプレゼントしてきたが、昨年、元市選挙管理委員長から寄付金があり、2台購入したという。

 小学生以下の子どもと来場し、投票をすませると、子どもがガチャガチャを回せる。カプセルには、市のゆるキャラとJR烏山線のマスキングテープが入っており、計200個が用意された。

 2庁舎の期日前投票所以外では実施しない。期間は19日までで、記念品がなくなり次第、終了する。

 宇都宮市選挙管理委員会は、選挙に関心を持ってもらおうと親の投票に同行した子どもたちに「親子連れ投票記念証シール(縦7・5センチ×横7・5センチ)」を配布する。

 明るい選挙推進協会の「めいすいくん」の宇都宮ご当地バージョン「ぎょうざめいすいくん」がデザインされている。ホログラム加工がされており、「18さいになったらとうひょうにいこう」と呼びかけている。

 期日前投票所19カ所と20日投票日の投票所で配布される。

毎日新聞

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