JICAのホームタウン認定巡り誤情報拡散 政府、火消しに追われる

2025/08/26 16:32 

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 国際協力機構(JICA)がナイジェリアなどアフリカ4カ国の「ホームタウン」に国内4市を認定した事業の誤情報が交流サイト(SNS)上で拡散し、政府が火消しに追われている。SNSでは「移民が増え、治安が悪化する」などのコメントが書き込まれているが、林芳正官房長官は26日の記者会見で「移民の受け入れ促進や相手国への特別な査証発給は想定されていない」と否定。誤情報をホームページ(HP)で発信したナイジェリア政府に訂正を求めている。

 外務省は25日深夜に投稿したX(ツイッター)で「国内外で事実と異なる内容を含む報道や発信が行われています」と移民拡大などの情報を否定。この投稿の表示回数(インプレッション)は500万を超えた。通常は1万~2万回程度で、今回の投稿には「事業の白紙撤回が必要」「なぜ姉妹都市にとどめなかった」などと批判も多く書き込まれた。

 JICAは21日、千葉県木更津市とナイジェリア、愛媛県今治市とモザンビーク、新潟県三条市とガーナ、山形県長井市とタンザニアの交流促進のため、4市をホームタウンと認定する事業を発表した。ナイジェリア政府が翌22日、HPで同国の若者が木更津市に就労する特別査証が出されると掲載し、英BBCなどが報じたところ、4市には「なぜ移民を受け入れるのか」などの苦情が殺到。林氏は「JICA研修事業等を通じたインターン生の受け入れを想定している。この研修は期限付きで、研修終了後は研修生の出身国への帰国を前提とし、移民の受け入れ促進ではない」と説明している。【田所柳子、竹内望】

毎日新聞

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