高市氏、自民結党以来初の女性総裁 新政権、右派色強まる可能性

2025/10/04 17:56 

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 自民党総裁選は4日投開票され、上位2人による決選投票で高市早苗前経済安全保障担当相(64)が小泉進次郎農相(44)を破り、新総裁に選出された。女性総裁は結党以来初めて。15日召集見通しの臨時国会で実施される首相指名選挙は、野党による指名一本化に向けた協議が難航しており、高市新総裁が石破茂首相の後任の新首相に選出される公算が大きい。新総裁の任期は、石破氏の総裁任期の残りで2027年9月末まで。

 高市氏は1回目の投票で党員・党友票の約4割を獲得して他候補を圧倒した。党員は参院選で参政党などに切り崩された保守層の奪還に向け、第2次安倍晋三政権の路線を意識した政策方針を掲げ、保守色の強い高市氏を選んだ格好だ。高市氏は外国人への規制強化にも意欲を見せており、新政権は中道を掲げた石破茂政権より右派色が強まる可能性がある。

 総裁選には高市、小泉両氏のほか、林芳正官房長官(64)、小林鷹之元経済安保担当相(50)、茂木敏充前幹事長(69)の5人が立候補した。

 1回目の投票は、国会議員295票と党員・党友票295票の計590票で争われた。党員票は党本部で集計し、ドント方式で各候補者に割り振った。1位は高市氏で183票(国会議員票64票、党員票119票)、2位は小泉氏で164票(同80票、84票)だった。3位は林氏で134票(同72票、62票)、4位は小林氏で59票(同44票、15票)、5位は茂木氏で49票(同34票、15票)だった。国会議員票の無効が1票あった。党員票の投票率は68・69%で、24年の前回(66・16%)から2・53ポイント上がった。

 高市氏が必要な過半数の得票に達しなかったため、高市、小泉両氏による決選投票となった。決選投票は国会議員票295票と、2人のうち党員票の得票が多かった候補者に1票を割り振る47票の都道府県票で争われた。高市氏は185票(国会議員票149票、都道府県票36票)を獲得し、小泉氏の156票(同145票、11票)を上回り、当選を果たした。国会議員票の無効が1票あった。

 高市氏は総裁選後の記者会見で、党再生に向け「全員活躍、全世代総力結集で力を合わせて取り組む」と語った。党の新執行部の体制は「来週前半の早い時期に固めたい」と明らかにし、小泉氏ら他の4候補については「全員活躍していただく」と述べた。【神山恵】

毎日新聞

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