「さなえコール」の大合唱 高市氏の地元支援者ら 自民総裁選
自民党総裁選が4日、投開票され、高市早苗前経済安全保障担当相(64)=衆院奈良2区=が女性として初となる総裁に決まった。奈良県天理市のホテルで投開票のライブ放映を見守った支援者からは大歓声が上がった。キャラバンカーで日本列島を縦断し「各地の人の声を聞く」といった地域目線の活動を展開したことが奏功した。高市氏は今後の野党との連携・連立協議次第で首相に指名される可能性があり、会場では初の女性首相誕生への期待が聞かれた。
◇全国を巡回
勝利の決め手の一つとなったのは、全国各地の党員からの厚い支持。党員・党友票では全295票のうち119票を集め、5人の候補者で最多だった。
選挙戦中盤の9月28日。1週間前に北海道を出発し、都道府県を巡回する高市陣営のキャラバンカーが近鉄奈良駅(奈良市)の行基広場前に到着した。「日本列島を、強く豊かに」のキャッチフレーズと、高市氏が演説する姿を記した目立つデザインは、多くの通行人を引きつけた。
広場で街頭アンケートを実施した。物価高対策や憲法改正、「政治とカネ」など6項目の表を記した大きなパネルを用意。道行く人が立ち止まり、最も大切と思うものにシールを貼っていた。
高市氏への意見を動画撮影する段ボール製の「サナエボックス」も設置。電話ボックスを小さくしたサイズの簡易部屋で、県民が政治や生活に対する不安などを口にしていた。キャラバンカーは46都道府県を訪問。時間の都合で沖縄だけはサナエボックスを設置するのみとなったが、地域の声を聞くことにこだわりをみせた。
◇大阪で公約力説
翌29日は大阪で関西総決起大会を開催。高市氏は約40分間、約1500人を前に「大胆な危機管理投資や成長投資」による生活や食糧の安全保障を目指す政策などを語り、政策通をアピール。さらに「(離れた自民党支持者を)取り返せるのは、私しかいない」と力説。会場は声援と拍手に包まれた。
◇歓喜する支援者
投開票では1回目を1位通過し、決選投票でも小泉進次郎農相(44)に29票差をつけ、3度目の挑戦で悲願の勝利をもぎ取った。勝利の瞬間、会場は「さなえコール」の大合唱となった。
党県連の井岡正徳幹事長は投開票までに、ほぼ全国の都道府県連関係者に会い、各地の現状を聞いて回ったという。「参院選の大敗をきっかけに党を変える力を持つ人を望んでいることを感じた。岩盤保守層を取り戻すことを望む声も多かった。それなら高市さんしかいないと、手応えを感じていた」と声を弾ませた。
秘書で地元事務所の木下剛志所長は「党員票を多く獲得したことで流れができた。(党の国会議員が)今の自民党では先がないことを自覚し、誰が総裁にふさわしいのかを意思表示した結果だ。これまで支援してくれた人が大喜びする姿を見て、ぐっと来るものがある」と感極まっていた。
県立畝傍高と神戸大の同級生だったという八木宏昌さん(65)は「高校時代から意見をはっきり言うタイプ。他党に流れた保守層を取り戻せるはずだ。合わせて国民に優しい政策を進めてほしい」と歓喜の涙を流しながら語った。【山口起儀、木谷郁佳】
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