自民党総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が勝利したことについて、台湾メディアは一斉に「日本初の女性首相になる可能性が高い」と速報した。

　中央通信社は高市氏は台湾に友好的で、台湾との協力を重視している経験豊富な政治家だと紹介。「（台湾初の女性総統を務めた）蔡英文前総統にあこがれていると話していた」と伝えた。複数のメディアは党随一の保守派で、安倍晋三元首相の路線を継承すると主張しているとも報じた。

　台湾の頼清徳総統は自身のＸ（ツイッター）アカウントに当選を祝うメッセージを投稿。高市氏を「台湾にとって揺るぎない友人」とし、日台が各分野で交流と協力を深め、インド太平洋地域の安全と安定を実現していけるよう期待すると述べた。

　高市氏は今年４月に訪台し、頼総統らと会談。記者会見で、防衛面での情報共有を進めることや民主主義陣営での半導体などのサプライチェーン（供給網）を構築することで頼氏と一致したと話した。

　台湾紙「自由時報」は高市氏が今月１日に米シンクタンクに寄稿し、台湾海峡の平和と安定が日本の関心事だとの認識を示した上で「中国のリーダーともしっかり率直に対話したい」と述べたことを紹介している。【台北・林哲平】