高市首相、ドタバタの外交デビュー 就任5日目で初外遊

2025/10/26 15:22 

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 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に向けた高市早苗首相のマレーシア訪問は21日の就任から、わずか5日目にスタートした。準備期間が限られる中での慌ただしい外交デビューとなった。

 首相は25日夜にマレーシアに到着したが、各国首脳との個別会談が入ったのは26日午後。関係者によると、現地入りしてから約半日は日ASEAN首脳会議と個別会談に向けた準備や休養の時間に充てたという。唐突だった公明党の連立離脱や日本維新の会との連立交渉、首相指名選挙、組閣、所信表明演説と「怒濤(どとう)の日々」をこなしながら外交日程に突入し、「ドタバタで準備してきた」(外務省幹部)ためだ。

 各国首脳との個別会談も、ASEAN議長国のマレーシアと、日本との防衛協力が進むオーストラリア、フィリピンの3カ国にとどまった。外務省中堅は「外交日程の中でも、内政のことを考えられるくらいの余裕は残す日程にしておきたい」と語り、政権発足直後で過密スケジュールにあった首相を気遣ったことを明かした。

 さらにトランプ米大統領の訪日と重なり、ASEAN関連首脳会議の日程を途中で切り上げざるを得なかった。27日にはASEANと日中韓3カ国による首脳会合や、ASEANと日米中露などが参加する「東アジアサミット(EAS)」が開催されるが、代理として茂木敏充外相が出席する予定。トランプ氏が27日午後に訪日することを踏まえ、同日午前には帰国する日程を組んだ。

 政府関係者は「トランプ氏の訪日時に首相がいないなどという事態は絶対に避けないといけない。政府専用機のトラブルなど遅れが生じる可能性も考えて、余裕を持って日本に戻ってくる必要がある」と語った。

 首相は息つく暇もなく28日、就任後最大の山場といえる日米首脳会談に臨むことになる。【クアラルンプール飼手勇介、田所柳子】

毎日新聞

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