北海道寿都町長選 核のごみ調査推進の現職・片岡春雄氏が7選

2025/10/28 21:10 

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 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定を巡り、全国で初めての文献調査が行われた北海道寿都(すっつ)町で28日、任期満了に伴う町長選が投開票された。調査を推進してきた現職の片岡春雄氏(76)=無所属=が、調査継続に反対する元町議の新人、大串伸吾氏(42)=同=を破って7選を果たした。

 文献調査が終わった自治体で初の首長選となった今回、片岡氏は「道半ば」として概要調査移行に前向きな姿勢を示し「国に協力し、財源確保を図ることが必要」と理解を求めた。6期24年の実績も強調し、保守層の支持を固めた。

 原子力発電環境整備機構(NUMO)は2020年11月に同町などで文献調査を始め、24年11月に報告書を公表。掘削して岩盤などを調べる概要調査に移行すれば町は最大70億円の交付金を受けられるが、町長と鈴木直道知事の同意が必要となる。

 町は今後、概要調査移行を判断するために住民投票を実施予定。片岡氏は反対多数の場合は民意に従い、賛成多数でも議論が全国展開するまで国への回答を保留するとしている。

 鈴木知事は概要調査移行に反対の姿勢を示している。【森原彩子、片野裕之】

毎日新聞

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