伊東市の田久保市長が失職へ 市議会で2度目の不信任決議案を可決

2025/10/31 12:34 

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 静岡県伊東市の田久保真紀市長の学歴詐称疑惑を巡り、市議会(定数20)は31日に臨時議会を開き、田久保氏に対する2度目の不信任決議案を賛成多数で可決した。田久保氏は同日いっぱいで失職する。

 市選挙管理委員会は市長選の日程を12月14日投開票を軸に調整している。田久保氏は立候補するか否かを30日までに明らかにしていない。5月に田久保氏に敗れた小野達也前市長ら5人が出馬に向けて準備しており、自民党の地元支部は小野氏に候補者を一本化する方針。

 市議会は9月1日、最初の不信任を全会一致で議決した。失職か議会解散かを迫られた田久保氏は同10日、「議会に新しい風を」と述べ解散した。10月19日投開票の市議選は「大義がない」という声が多く、立候補した前職18人全員が返り咲いた。

 田久保氏が東洋大除籍の経歴を「卒業」と公表していたのが問題の発端で、市長就任後に「卒業証書」だとする文書を市職員や議長に見せ、市広報誌に「東洋大法学部卒業」という誤った経歴が掲載された。市議会調査特別委員会(百条委員会)は、東洋大が卒業証書を発行していないことを確認し、田久保氏が偽の「卒業証書」を市職員に示して経歴を誤認させたと結論付けている。

 これまでに市議会や市民らが田久保氏を地方自治法違反(百条委での偽証など)や公職選挙法違反(虚偽事項の公表)、偽造有印私文書行使などの疑いで県警伊東署に刑事告発し、4件が受理されている。市議選には6300万円の予算が割かれ、市長選には2500万円以上が計上される見通し。【若井耕司】

毎日新聞

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