高市首相、レアアース開発に意欲 メガソーラー規制も 参院代表質問

2025/11/06 21:02 

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 高市早苗首相は6日の参院本会議での代表質問で、南鳥島(東京)周辺海域でのレアアース(希土類)開発について、「日米間の具体的な協力の進め方を検討する」と述べた。首相は10月28日にトランプ米大統領と会談し、経済安全保障の推進に向け、レアアースなど重要鉱物の安定確保に向けた協力に関する文書に署名した。首相は「レアアースの多様な調達手段を確保することは、日米双方にとって重要だ」と語った。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)については、全国各地で森林伐採や環境破壊、災害リスクなどの懸念が広がっているとして、「安全、景観、自然環境などに関係する規制の総点検を行い、不適切なメガソーラーを法的に規制する施策を実行する」と語った。現在、日本にある太陽光パネルのほとんどが中国製とされており、首相は自民党総裁選で「美しい国土を外国製の太陽光パネルで埋め尽くすことには猛反対だ」と問題視していた。

 自民党派閥裏金事件を巡っては「仮に同様の問題が起きた場合には、これまで以上に厳しく対処する」と述べた。

 公明党の西田実仁幹事長が、裏金事件に関与した議員の副大臣や政務官への起用の判断基準について尋ねたのに対しては、「全員参加、全世代総力結集の考え方のもとで適材適所の人事を行った」と強調した。西田氏は質問後、公明が連立政権を離脱する前の党首会談で、首相は裏金事件に関与した議員を「内閣には入れない」と発言していたと記者団に明らかにした。

 また首相は売買春を巡り、「近時の社会情勢などを踏まえ、規制のあり方について必要な検討を行う」と規制強化に前向きな姿勢を示した。立憲民主党の塩村文夏参院議員が「外国人観光客による買春が横行している」と指摘し、「日本は女性の尊厳を守らない国というイメージが国際的に広がりつつある」と訴えたのに対し、首相は「大変重いご指摘として受け止めた」と述べ、今後、検討する考えを明らかにした。現行の売春防止法は売買春を禁じているが、売買春の行為自体は罰則の対象とされていない。

 外国人政策を巡っては、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対処する方針を示したうえで、「国民の不安や不公平感を解消することは、外国人との秩序ある共生社会の実現に必要だ」と指摘した。【野間口陽、田中裕之】

毎日新聞

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