ペロシ元米下院議長が政界引退へ トランプ氏と対立 85歳民主重鎮

2025/11/07 00:19 

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 米民主党のナンシー・ペロシ元下院議長(85)は6日、X(ツイッター)に投稿したビデオ声明で、2026年11月の次期下院選への立候補を見送る意向を表明した。ペロシ氏は女性初の連邦下院議長で、トランプ米大統領と激しく対立してきた。

 ペロシ氏は声明で「再選は目指さない。最後の1年の奉仕を楽しみにしている」と述べた。ペロシ氏は西部カリフォルニア州選出で、1987年の初当選後、約40年近く下院議員を務めてきた。党内からは世代交代を求める声が上がり、去就が注目されていた。

 ペロシ氏は07~11年と19~23年に通算約8年下院議長を務めた。22年8月には現職下院議長として25年ぶりに台湾を訪問し、中国は猛反発して大規模軍事演習を実施した。

 トランプ氏が20年に下院で一般教書演説に臨んだ際には握手を拒否され、演説後に事前に渡されていた原稿を手で引き裂いたこともある。リベラル派の象徴的な存在だったが保守派の一部には嫌悪され、22年10月にはペロシ氏の拉致を狙ったとされる容疑者が自宅に押し入り、夫が殴られる事件があった。

 ペロシ氏は08年、米下院議長として初めて被爆地・広島を訪問した。当時は被爆地を訪れた米国の現職要人として歴代最高位だった。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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