柏崎刈羽原発の再稼働 条件「整っていない」は9市町村中8市町

2025/11/06 21:16 

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 新潟県が6日に発表した東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に関する「県民意識調査」の事実上の最終結果は、原発から30キロ圏内の9市町村中8市町の県民が再稼働の条件は現状で「整っていない」と考えていることを白日にさらす形となった。また福島第1原発事故を起こした当事者でもある東電への県民の根強い不信も改めて示すことになり、今回の調査結果は、再稼働の是非を判断する花角英世知事に県民の厳しい認識を突き付けたといえる。

 今回示された9市町村分の調査結果では、再稼働の条件が現状で「整っていない」との回答が、長岡市63%▽小千谷市62%▽十日町市59%▽見附市60%▽燕市64%▽上越市57%▽出雲崎町57%――。原発の立地する柏崎市でも53%、刈羽村も48%で半数に迫った。

 東電が原発運転主体であることを懸念する回答は9市町村全てで過半数に上り、長岡市の71%をはじめ、燕市の77%や小千谷市の74%、見附市の70%などとなり、柏崎市でも65%、刈羽村も52%だった。

 最終結果では、各質問項目ごとの詳細な分析も示された。

 県全体(30市町村)の6000人を対象とした調査では、再稼働の条件が現状で「整っていない」と回答した人は「東電による運転の心配」と「使用済み核燃料の処理問題」を重視している傾向がわかった。

 東電による安全対策については、平均で半数以上、県などによる防災対策についても平均で6割が「知らない」と答えた。

 安全・防災対策の認知度について、県原子力安全対策課の金子信之課長は「東電にはこうした結果が出ていることをしっかり受け止めて、取り組みをもっとやってほしいと改めて求めていきたい」と述べた。【木下訓明】

毎日新聞

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