「経済後回し解散」の声も 年度内の予算成立困難 野党は反発

2026/01/13 20:55 

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 高市早苗首相が23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散する可能性が強まっている。政府は13日、国会側に召集予定を衆参両院に正式に伝えたものの、2026年度当初予算案の提出や、施政方針演説についての日程は示さなかった。冒頭に解散すれば、予算の年度内成立は4月以降にずれ込む可能性が高く、野党は反発している。

 立憲民主党の安住淳幹事長は13日の記者会見で「党利党略だ。極めて非常識で、国民に届くはずの本予算を先送りしてまで、支持が高いから有権者に自分に入れろと言わんばかりの態度は容認できない」と主張。「国民生活を犠牲にした解散・総選挙に対して強い憤りを感じる」と述べた。

 昨年12月に「年収の壁」の引き上げを巡り自民党と交わした文書で、予算の年度内成立に合意した国民民主党の玉木雄一郎代表は「長年訴えてきた手取りを増やす政策は、来年度予算や税制改正法案の中に含まれている」と主張。冒頭解散となった場合、「(予算の)年度内成立は事実上無理で、両党間の合意について実現が難しくなる。経済後回し解散と言わざるを得なくなる」と指摘した。

 公明党は13日、臨時の常任役員会を党本部で開き、冒頭解散となった場合の対応を協議。斉藤鉄夫代表は、26年度予算の年度内成立が困難になり、「国民生活を無視した解散だ」との意見が出たと記者団に明らかにした。

 自民閣僚経験者からも「予算を成立させずに選挙に踏み込めば、自己都合の選挙になるのは目に見えている。自民党が失った信頼はそう簡単に取り戻せるものではなく、甘く見過ぎだ」と懸念が示された。

 一方、13日の衆参の議院運営委員会理事会では、木原稔官房長官から23日の召集が正式に伝えられたが、26年度当初予算案の提出日程や、首相が1年間の政府の国政全般に取り組む基本方針を示す施政方針演説などの日程は示されなかった。

 衆院議運委野党筆頭理事の立憲・吉川元氏は召集日のみが伝えられ、予算審議に関する日程が示されなかったことについて「過去に全く例のない異常な事態だ」と指摘。共産党の田村智子委員長は解散・総選挙となった場合、「国民に何をどう問うのか。施政方針演説を行って、論戦した上で信を問うのが当たり前だがそれもやらない。自分勝手、党利党略の解散でしかない」と非難した。【富美月、安部志帆子、野間口陽】

毎日新聞

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