「余計なことを…」嘆き節も 「立憲王国」北海道、読めない新党効果

2026/01/23 07:15 

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 2025年11月20日夜。札幌市内のホテルで、旧民主党系などが支援して03年まで道知事を務めた堀達也氏(90)を、立憲民主党と国民民主党、両党の支持母体の連合北海道の関係者が囲んでいた。

 そこに同席していたのは公明党を支持する創価学会の道内の幹部だ。

 公明は長年、連立政権を組む自民党と良好な関係を続けており、野党との距離は近くなかった。

 ただ、昨年10月に連立を離脱。そうした状況で開かれた会合について、労組関係者は「公明の連立離脱直後から選挙協力のあり方を考えてきた。学会とのつながりが足がかりだった」と解説する。

 連携を見据えた動きは早くも水面下で始まっていた。

 年が明けると、公の場でも接近を印象づける動きがあった。

 6日の連合北海道の新年交礼会で、公明道本部の佐藤英道代表が初めて登壇。公明の労働局長として労組の会合に出席していた過去を披露し、「連合の皆さんとは政策的に合致するところが非常に多い」と強調した。

 23日の衆院解散検討が報じられたのはその3日後。立憲と公明は呼応するように新党「中道改革連合」の結成に向け走り出した。

 立憲は24年10月の前回選、道内の小選挙区で自民に9勝し、敗れた3人も比例復活当選。道内全選挙区に現職がいる。

 公明は道10区で稲津久氏が落選し、佐藤氏が比例道ブロックで5選を果たした。

 今回の選挙戦に向けては立憲の全12人は中道に入党。佐藤氏を比例名簿順位1位とし、「公明が選挙区で全面支援」する方針だ。

 立憲道連の勝部賢志代表は20日の記者会見で「間違いなくプラス」と訴えた。しかし、思惑通りの結果になるかは見通せない。

 公明は創価学会を軸に小選挙区で1万~2万の基礎票を持つとされるが、全てが前回選の立憲の得票に上乗せされるとは限らないためだ。

 両党の間には選挙で激しく戦ってきた歴史がある。それだけに新党結成という突然の「方針転換」が道内の関係者に与えた衝撃は大きい。

 「選挙協力のための野合」との批判がある中、公明側は「我々の理念に共鳴してくれた人が新党に結集した」と強調。創価学会幹部も「納得してくれる学会員は多い」と語るが、「対立してきた候補の応援はできないとの声もある」と認める。

 立憲の支持層が離れるリスクもはらむ。

 従来の支持組織の立正佼成会が、異なる宗教団体の創価学会が支援する新党から「離れる」(連合関係者)との見方があるほか、自公政権を批判し立憲候補者に票を託してきた共産党支持層などの離反を招く可能性もある。

 実際、ある立憲道議の元には後援会から「もう応援しない」との連絡が来たという。時間をかけて公明側と関係を温めていた連合関係者は「北海道は公明への票の割り振りを工夫すれば、十分協力できた」とし、新党結成を「余計なことをやってくれた」と嘆く。

 いまだ「立憲王国」と言われる北海道で新党は吉と出るのか。誰も読めない選挙戦が始まる。【片野裕之、後藤佳怜】

毎日新聞

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