「違和感ない」奈良・公明票の行方は 集会で「中道」連呼、定着図る
「ほっとしている」。公明党関係者は安堵(あんど)の表情を浮かべた。26年間にも及ぶ自民党との連立政権から離脱してわずか3カ月、高市早苗首相が早期解散を明言した数日後に立憲民主党と新党「中道改革連合」を結成することになったのだ。政権与党から野党に転じ、立ち位置は一変したが、奈良県内の党関係者は「党員は新党を前向きに捉えている」という。解散から投開票まで16日と戦後最短の衆院選に向け、新党を有権者に浸透させられるかが課題となる。
昨年10月、公明は「政治とカネ」の問題を主な理由に、連立政権から離脱した。中道改革の軸となるため、1人当たりGDP(国内総生産)の倍増など政策5本柱を示し、野党としての存在感をアピールしてきた。
そんな中、新年早々に高市首相が衆院解散を検討しているとの報道が出ると、急転直下で立憲民主党との新党結成を決めた。県内のある市議は「我々も報道で動きを知る毎日。情報に追いつくのが大変だ」と話す。別の市議は「公明と立憲が一つになったのではなく、公明が主導して作った綱領に賛同した議員が集まってできた党なので、特に違和感はない」と語る。
地方議員は数日前から、中道の政策や綱領の説明のため、党員の家を1軒1軒訪問している。反発や戸惑いの声も予想されたが「反応は悪くない」という。
19日昼過ぎ、橿原市内で公明党関係者が集まる「新春の集い」が開かれた。会場は満席で約450人が集まった。
「中道政治の中心となる」「中道改革の」「中道の…」。登壇した議員らは何度も「中道」という言葉を繰り返した。「(投票用紙に)公明と書かれては困るから」(関係者)と新党名の定着を図る狙いがあった。
22日時点で中道公認での出馬を表明しているのは1区現職の馬淵澄夫氏のみ。公明は馬淵氏の応援に回る。ただ従来の衆院選で公明票は、今回も出馬を表明している自民現職の小林茂樹氏と馬淵氏の二手に分かれてきた。
1区での公明党の基礎票は約1万9000。多くの関係者は「これまでは党員の多くが小林氏に投票していたが、今回は馬淵氏の方が多くなるかもしれない」とみる。一方で「小林氏個人を応援してきた党員も一定数いるので、馬淵氏の票の上積みは限定的では」とみる関係者もいる。
小林氏は「高市ブーム」の追い風を受けるとみられる。その中で、公明票がどれだけ小林氏から流れて馬淵氏を下支えできるのか。その動向が激戦の結果を左右することになりそうだ。
一方、2、3区での中道公認の候補者擁立は難航。関係者は見送りとなる公算が大きいことを示唆した。小選挙区の候補者がいなくても、比例代表で中道に投じてもらう策が必要になる。【木谷郁佳】
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