スパイ防止法案の国会提出、今秋見送り 来年通常以降で調整
政府は、外国勢力による諜報(ちょうほう)活動を取り締まる「スパイ防止関連法」について、今秋の臨時国会での提出を見送り、来年の通常国会以降に提出する調整に入った。政府関係者が20日、明らかにした。臨時国会での提出も模索したが、表現の自由など国民の権利を侵害する懸念が根強く指摘されていることから、今夏にも設置する有識者会議の議論などを踏まえ、慎重に法案のあり方を検討する。
高市早苗首相は、インテリジェンス(情報収集・分析)の機能強化を掲げ、今国会に司令塔機能を担う「国家情報会議」設置法案を提出。法案は23日にも衆院を通過する見通しだ。
政府・与党は、強化に向けた改革の「第2弾」として、外国勢力による影響工作の防止など「防諜」の機能強化を図る法案を検討している。自民党と日本維新の会の連立政権合意書は「速やかに法案を策定し成立させる」と明記。自民は、外国政府や団体の指示を受けて、情報活動を行う外国勢力の代理人(エージェント)に、事前に届け出を義務付ける制度などを検討している。
中曽根康弘政権下の1980年代には「スパイ防止法」が提出されたが、世論の反発を受けて廃案となった。そうした経緯を踏まえ、政府・与党は「スパイ」の文言は法案に使用しない方向で検討している。野党からは国民の正当な言論活動を抑圧するリスクや、「監視・密告社会が到来する危険性」(中道改革連合の小川淳也代表)などの懸念が示されている。
政府は、今年7月ごろを見込む国家情報会議の設置後、速やかに具体的な制度設計に入る見通し。有識者会議や与党内の議論を踏まえて法案の内容を慎重に検討する構えだ。【原諒馬】
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