ラッコのリロ、24年11月から動きに異変 多くの来館者が献花

2025/01/04 18:10 

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 福岡市東区の水族館「マリンワールド海の中道」で飼育されていた唯一のラッコ、リロが4日、死んだ。リロは国内で飼育されている3頭のうち唯一の雄で「イケおじラッコ」として多くのファンに親しまれた。同館で1989年から続いていたラッコの飼育は、リロの死で途絶えた。

 リロがやってきた2012年、同館にはリロを含め3頭のラッコがおり、その後、リロと雌のマナの2頭となった。相性が良いリロとマナは繁殖が期待される希望のペアだったが、マナの妊娠が判明した直後、マナの体調が悪化。21年2月にマナが死に、リロだけとなった。

 1頭になっても穏やかに、そして懸命に生きるリロの姿は、多くのファンに愛された。

 リロの体に異変が出始めたのは24年11月下旬。ラッコは全身の毛繕いをして毛を清潔に保ち、冷たい水から体温を守る必要がある。しかし同館によると、その頃から毛の一部に手入れが行き届いていないところが見られたという。

 24年12月27日朝、餌を食べなかったため展示を中止。投薬や体温管理など飼育員らが24時間体制でリロの健康保持に努めたが、1月4日午前7時18分に死んだ。17歳で、人間に例えれば70歳ぐらいだった。

 同館は同日、急ごしらえの献花台をラッコプール近くに設置。多くの来館者で献花台はすぐにいっぱいになったという。同館はホームページでリロの死を発表するとともに、感謝を伝えている。「ラッコの魅力を伝えることに貢献してくれたリロとリロを愛していただいた皆様に感謝します」【松本光央】

毎日新聞

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