王将戦開幕 藤井聡太王将と永瀬拓矢九段、2年半ぶりの相掛かり戦に
3連覇中の藤井聡太王将(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦七番勝負の第1局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓、名古屋鉄道、島田掛川信用金庫、ゼロの会、静岡県掛川市協賛)が12日、掛川市の掛川城二の丸茶室で始まった。
両者によるタイトル戦は4度目だが、2日制の七番勝負は初めて。持ち時間の長い将棋でどんな戦いを繰り広げるか、熱戦への期待が高まる。
振り駒で先手番になった永瀬九段が主導して相掛かりの戦いになった。両者の相掛かり戦は第93期棋聖戦第4局以来2年半ぶり6局目で、過去は藤井王将の3勝1敗1千日手。本局は永瀬九段が攻め、藤井王将が受けに回る中盤戦が続いた。
午後6時5分、永瀬九段が47手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち消費時間は永瀬九段3時間35分、藤井王将4時間2分。13日午前9時に再開する。
立会の森内俊之九段は、藤井王将が12手目に4二玉と上がった手に対し、「(左の銀を使えないので)角道を開けない将棋とは相性が良くない。マイナーな定跡で意外な進行。両者の研究がどこまで進んでいるのか気になる」と、序盤からの駆け引きに注目した。
27手目に永瀬九段が指した1五歩が公式戦の前例にない手で、早くも未知の戦いに入った。ただ、わずか8分の考慮時間に解説の神谷広志八段は「研究の範囲だろう」と驚く。藤井王将が40分考えて同歩と応じると、永瀬九段はまたもや7分の短考で8七歩と8筋を補強した。
これにも藤井王将の手が止まり、2手連続の長考に。結局、考慮時間は54分に及び、藤井王将は3四歩と指し、ようやく角道を開けた。
これを見た永瀬九段も1時間の昼食休憩を挟む55分の長考で1四歩と端攻めを継続。藤井王将は決戦を避け、角交換から金を使って端を守る辛抱の防戦策を採った。「藤井王将は攻める手がかりがないので、より良い形で相手の攻めを待ち、反転攻勢につなげたい」と森内九段。
永瀬九段は3七桂と跳ね、藤井王将は1日目の最長となる1時間3分の長考で2四歩と受けた。快調に攻め続ける永瀬九段は35分考え、指し手を封じた。【新土居仁昌、武内亮】【新土居仁昌、武内亮】
◇第1局 第1日指し手
[先]永瀬
[後]藤井
❶2六歩 ②8四歩
❸2五歩 ④8五歩
❺7八金1 ⑥3二金
❼3八銀 ⑧7二銀
❾1六歩 ⑩1四歩3
<11>6八玉1 ⑫4二玉6
<13>7六歩5 ⑭8六歩2
<15>同 歩1 ⑯同 飛
<17>3六歩1 ⑱7四歩14
<19>2四歩4 ⑳同 歩
<21>同 飛 (22)2三歩4
<23>7四飛1 (24)7三銀3
<25>7五飛1 (26)8二飛2
<27>1五歩8 (28)同 歩40
<29>8七歩7 (30)3四歩54
<31>1四歩55 (32)同 香11
<33>1三歩15 (34)8八角成24
<35>同 銀1 (36)2二金
<37>1五香40 (38)同 香6
<39>同 飛2 (40)1三金
<41>3五歩23 (42)1四歩8
<43>1六飛4 (44)3五歩2
<45>3七桂10 (46)2四歩63
<47>封じ手35
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