神戸港に米軍の掃海艇入港へ 「非核証明書」提出決議から50年で初

2025/03/19 12:38 

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 外国艦船に核兵器を持ち込んでいないことを証明する「非核証明書」の提出を求めている神戸港に24日から3日間、米軍の掃海艇が入港する予定であることが、港の管理者となっている神戸市などへの取材で判明した。証明書の提出は「非核神戸方式」と呼ばれている。米軍の艦船が入港するのは、1975年にこの方式の決議が採択されてから50年で初めて。

 市港湾局によると、24日午前9時~26日午後6時、補給や乗員の休養のため、神戸港の摩耶(まや)ふ頭に掃海艇「ウォーリア」が入港する予定。17日に申請があった。

 非核神戸方式を巡っては、市議会が75年3月18日、核兵器を積載した艦艇の入港を一切拒否するとした「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」を全会一致で採択した。

 これを受け、市は入港を希望する外国艦船に「核を積んでいない」ことを示す非核証明書を求めて行政指導することにした。

 証明書の提出に法的拘束力はないが、これまで入港した8カ国の22隻のうち、21隻が従った。唯一の例外は、98年5月に入港したカナダの補給艦。外務省の保証を理由に提出しなかった。

 市の担当者は「米軍の入港に関しても、他の外国船と同様に神戸方式を尊重して対応する」と説明した。

 神戸港湾関係労働組合共闘会議の鈴木大介議長(59)は「採択から50年を迎えたタイミングでの入港に、神戸方式をないがしろにする意図を感じる。政府は米国との同盟を重視するが、港を管理する自治体として毅然(きぜん)とした対応をしてほしい」と話した。【大野航太郎】

毎日新聞

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