福岡空港で第2滑走路の供用開始 同時離着陸できず処理能力は微増

2025/03/20 13:10 

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 福岡空港(福岡市博多区)で20日、増設された第2滑走路(長さ約2500メートル)の供用が始まった。午前8時38分、新滑走路の第1便となる日本航空の遊覧チャーター便が離陸した。福岡空港の発着状況は「日本一過密」とされ、その緩和が期待されるが、2本の滑走路の間隔が狭く同時に離着陸できないため、処理能力は微増にとどまる。

 空港デッキには朝から多くの航空ファンが集まり、カメラを構えた。福岡県古賀市の高校生、石田敦也さん(16)は「滑走路が1本の時は撮れなかった、二つの飛行機が並ぶ写真が撮影できた」と喜んだ。

 チャーター便で熊本や長崎などの上空の遊覧飛行を楽しんだ福岡市南区の森屋さえ子さん(52)は「約30年前、地上職員として福岡空港で働いたこともあり、空港にとっての歴史的瞬間に立ち会えて幸せ。いつもの滑走路よりも国際線ターミナルが近く見えて驚いた。九州の玄関口としての発展に期待したい」と話した。

 福岡空港は2023年度の発着回数が約17・9万回で、滑走路1本当たりの回数が国内最多。第2滑走路は過密状況の解消を目的として、1本目の滑走路の西側(国際線ターミナル側)に平行する形で整備された。16年に着工し、総事業費は1643億円。原則、国際線の離陸に使われる。

 同時に離着陸できないため、滑走路を安定的に運用できる発着回数(処理能力)は供用前の年17・6万回から年18・8万回へと約6・8%増にとどまる。【長岡健太郎】

毎日新聞

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